こんにちは、心理カウンセラーのキタダハルキです。それでは今日の内容に入っていきたいと思います。
「職場のやり方がどうにも肌に合わない」—この悩み、本当に多いですよね。むしろ、会社のやり方に完璧に合っている人の方が少ないんじゃないかとすら思います。
私自身も会社を辞めた理由の一つに、この「肌に合わない」という感覚がありました。そこで今回は、私が何が合わなかったのかというところからお話ししていきたいと思います。
会社の「綺麗事」が社員を疲弊させる構造に
よくあることだと思うのですが、私の前職では対外的に「綺麗事」のような経営になってしまっていたんです。一見すると「顧客を大事にしよう」というスローガンが根幹にありました。
これだけ聞けば当たり前で良いことだと思うでしょう? しかし、これがだんだんエスカレートし、「顧客を大事にするために、社員が身を削る」という状態になっていったのです。
特に体を酷使するタイプの職業だったため、ヘルニアなどの体の不調を抱える社員が少なくありませんでした。私も1年目の早い段階で「このまま続けていたら自分もこうなるだろうな」と予感し、そこでモチベーションが下がってしまったんです。
ヘルニアの状態で営業に行ったりすると、やはり集中できませんよね。「体が痛いのに」とか、「むしろ自分が介護されたいぐらいだ」といった声も耳にしました。このような状況はまさに悪循環です。実際は顧客を大事にできておらず、社員がボロボロになっている。これが、私にとって「この会社は厳しい」と感じた大きな原因の一つでした。
「肌に合わない」と感じた時のサインと、その後の結末
この「肌に合わない」という感覚があると、「この会社を続けていて大丈夫なのかな」と思うようになります。私自身も、1年目の夏にはすでに「この会社でいいのか」と思い始めていました。結果的に、他の動画でも話していますが、病気になったことで会社を辞めることになりました。しかし、仮に病気にならなかったとしても、価値観が合わなかった以上、おそらく続けてはいなかっただろうというのが今の結論です。
職場のやり方が自分に合わないと、そもそも評価されにくいという側面もあります。自分がしっくりきていないので、周りから認められることは難しいでしょう。自分自身が「力を発揮しきれていない」と自覚していることは、周囲にも伝わりがちです。「あいつはやる気がなさそうだ」とか、「こいつは仕事の効率を上げようとしない」などと思われていたかもしれません。実際、私は少しサボりがちなところもあったので、そう思われても仕方なかったでしょう。
衝動的な退職の前に「自分の価値観」を理解する
しかし、すぐに会社を辞めるという選択肢には「本当に辞めたらうまくいくのか」という壁がありますよね。会社を辞めて非常にうまくいった人も少なくありませんが、一方で辞めたけれどまた別の会社を辞めることになったり、合わないと感じながらも「すぐに辞められない」と我慢してしまう人も当然います。
この差はどこから出てくるのでしょうか? それは、「自分の価値観をきちんと理解しているかどうか」に尽きると思います。
例えば、会社がAという考え方で動いていて、自分の考えはBだとします。この時、AとBのどこが食い違っているのか、そして「これぐらいなら許容できる」という妥協できるポイントを探った経験があるかどうかが非常に重要になります。
「妥協できるポイントを探る」というのは、「会社の全てが気に入らない」という状態はおかしい、という話でもあります。面接で自分の人格を偽って入社したのであれば話は別ですが、そうでないなら、どこかに魅力を感じて入社したはずです。その魅力的だと感じたポイントに関しては、ある程度妥協できる範囲、つまり**「譲れるゾーン」**に入っているはずです。
一方で、入社してから分かったことで、どうしても受け入れがたい致命的な問題が発覚することもあるでしょう。その場合は辞めるのも仕方ありません。しかし、面接時や入社前に魅力的だと感じた点が満たされているのであれば、一度踏ん張る「前向きな妥協」も大切にしてほしいのです。
妥協の重要性〜上司の例から学ぶ〜
私自身が会社を辞めたもう一つの原因に、「上司との関係性」があったと以前お話ししたことがあります。その上司は、実はあまり妥協ができない方でした。会社に行くたびに「あれが気に入らない」「これが気に入らない」と喧嘩になり、会社を辞めて今の会社にたどり着いた、という話をしていました。10社以上転職していると聞いて、やはり正直厳しいと感じました。
職歴が多すぎると、「これまでの会社でどういうふうにコミュニケーションを取ってきたのか」「なぜ短い期間で辞めてしまったのか」と当然聞かれますよね。もちろん、そこで堂々と答えることも重要ですが、何度も転職していると、採用される確率が下がるのは避けられません。自分自身が採用担当者だったらと考えると、やはりそう思うでしょう。
だからこそ、妥協できるポイントをきちんと探り、その習慣をつけておくことは非常に大切なことなのです。
まとめ:自分の価値観を理解し、前向きな妥協を
今日のまとめに入っていきます。
妥協できるポイントを探っておくこと、そして自分の価値観を知ること。これらを実践することで、「ここはどうしても譲れないが、ここはそこまで重要ではないから会社の方針に合わせてもいいな」と思えるようになります。この「譲り合い」ができる環境にいれば、多少合わないことがあっても「なんとかなるか」とやり過ごせる時間が増えるはずです。
チームで仕事を進めていく上では、この「やり過ごす力」は非常にありがたいものです。何をしても全く折れてくれない人よりも、多少融通を利かせられ、相互にコミュニケーションが取れる人の方が、当然良いですよね。
ちなみに私の場合は、会社員ではなくなったのは、「人に言われたことをそのままやる」という価値観が根幹に馴染まなかったからです。指示がずれているとイライラしてしまうことがあったので、一度誰かの下で働くのをやめて、一人でやってみようと決断しました。結果として、こうして今も続けられているので、やはり自分が大事にしたいところを大事にするという選択が、会社を辞めても成功する鍵だと感じています。
ですので、もし職場のやり方が合わないと感じ始めたら、それは自然なことです。衝動的に辞めてしまう前に、まずは自分の価値観と会社の価値観に関して、ずれているところと合っているところをきちんと把握すること。これをすることで、次の選択を間違えにくくなります。ぜひ一度、この点について考えてみてくださいね。
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