「言えば解決する」とは限らない。だからこそ、“伝え方”が重要です。
こんにちは、心理カウンセラーのキタダハルキです。
今日は「言えば解決するっていうけど、本当にそうなの?」というテーマでお話ししていきます。
■「言えばいい」は正しいけれど…
人間関係で悩んでいると、「ちゃんと伝えたらいいんだよ」ってアドバイスされること、ありますよね。
でも実際に言ってみたら、かえってこじれてしまったり、モヤモヤが増してしまった…そんな経験、誰しもあると思います。
今回は、「伝えることの大切さ」と、「どう伝えるか」で失敗しないためのコツをお話しします。
■“言える”は癒しになることもある
カウンセリングの現場でも、言葉にすることで気持ちがすっと軽くなる瞬間を、何度も見てきました。
相手に直接伝えるのではなくても、「ただ言葉にして口に出してみる」だけで、心の整理が進むこともあるんです。
例えば、自分の中でずっと悩んでいたことを話してみたら、「あれ?もういいかも」と思えたり、
「これはやっぱり相手に伝えた方がいいな」と気づいたりする。
そうやって、自分の中の「ごちゃごちゃ」が整理されて、抱え込む状態から抜け出すことができるんです。
■でも、言ってこじれることもある
とはいえ、「言ったら悪化した」というケースももちろんあります。
たとえば…
- 関係がこじれてしまった
- 相手がまったく動いてくれなかった
- 勇気を出して言ったのに、反応が薄くて落ち込んだ
…こんなふうに、言ったことでかえって傷ついてしまうこともあります。
だから「伝える」には、ある程度の覚悟と“言い方”の工夫が必要なんです。
■トラブルを生む、NGな伝え方とは?
一番トラブルになりやすいのは、「自分が正しいと思っているとき」。
正しいことを伝えているのに、なぜか相手と衝突してしまう…これ、よくあるんですよね。
なぜかというと、「自分が正しい」と思っているときって、
無意識のうちに「相手は間違っている」と思ってしまっているんです。
すると、どうしても言い方がきつくなったり、責めるような口調になってしまったりする。
「自分の常識と違う=相手が間違っている」
そんな思い込みがあると、伝えたつもりでも、相手には攻撃のように受け取られてしまうんですね。
■「私はこう思う」と伝える技術
ではどうすればいいのか?
大切なのは、「自分が思っていること」と「世の中の正解」を分けて考えることです。
たとえば…
- 「普通はこうするよね」
- 「常識的に考えたらこうでしょ?」
こうした言い方は、自分の価値観を“絶対的な正解”として押しつけることになりがち。
でも、それを「私はこう思う」と言い換えるだけで、ずいぶん伝わり方が変わります。
「正しさ」を武器にしてしまうと、相手は“多勢に無勢で攻撃されている”ように感じて、反発してしまうんです。
だからこそ、「あなたが間違ってる」じゃなくて、「私はこう感じた」と伝える。
これがとても重要です。
■言い方を考えすぎて「言えない」もまた問題
実は私自身も、「言い方を気にしすぎて、言えなかった」ことで人間関係が壊れてしまった経験があります。
言いたいことはずっとあったけど、「どう言えば伝わるか」「嫌な思いさせたらどうしよう」と悩んで半年間ため込んだ結果、
ようやく伝えられたときには、もう感情があふれてしまって、関係が切れてしまったんです。
だからこそ、やっぱり「言うべきことは言う」と決めておくことが大切。
その上で言い方を工夫する。
この順番がとても重要です。
■我慢するくらいなら、言うか、距離を置くか
ずっと言えずに我慢して、その人との関係だけは続けている…
そんな状態って、実はけっこうしんどいです。
だから、言うべきことだと思うなら、ちゃんと伝える。
それがどうしても無理なら、「もう一生言わない」と割り切って距離を置く。
どちらかに決めることで、自分の気持ちも整理されていくんです。
■まとめ:言うことは大事、でも“どう言うか”はもっと大事
最後にもう一度まとめます。
- 「言う」ことは、気持ちを外に出す大切なステップ
- でも、「正しさ」で相手を殴ってはいけない
- 主張と攻撃は違う
- 自分が思っていることと、世の中の正解を切り分けて伝える
- 言い方ばかりにこだわって言えないのもまた問題
- 最終的には「言う」か「言わないか」を自分で決めることが大切
言うって、すごくシンプルなことのようで、実はとても奥が深い。
そしてその第一歩は、頭の中でグルグル悩むより、まず“外に出してみる”こと。
ぜひあなたも、試してみてください。



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