こんにちは。心理カウンセラーのキタダハルキです。
それでは今日の内容に入っていきたいと思います。
■「できる人」を演じた結果、ウツ寸前に
今回は実体験の話です。
「仕事ができる人になりたい」——これは誰でも少なからず持っている感覚ではないでしょうか。私も、例に漏れずそうでした。
新入社員だった頃、仕事がうまくいっていなかったことは、これまでにも何度かお話しています。だからこそ「結果を出したい」「できるようになりたい」という思いがすごく強くなっていたんですね。
そんな中で意識し始めたのが、「オンとオフの切り替え」でした。
自己啓発書やビジネス書、あるいは心理学の本などでもよく出てくる考え方ですよね。
■“ペルソナ”をかぶったらどうなるか?
特に印象的だったのが、「役割を演じることで、体がその役割になじんでいく」という話でした。
「うまくいっていない人」として会社を往復しているから、いつまで経ってもできるようにならない。
だったら逆に、「できる会社員」を演じてみれば、ほんまにできるようになるんちゃうか?と。
最初は、そんな軽い気持ちでやってみたんです。
■でも、現実はそんなに甘くなかった
仮面のように“できる人”を演じてみたところで、当然、急に仕事がうまくいくわけではありません。
結果、まず身体が持たなかった。
今思えば、「できる人を演じる」というのも程度問題で、
「どうせできないし…」と思ってるよりはマシ、というぐらいの話だったのかもしれません。
でも当時の私は、「とにかくできる役割を演じなきゃ」と、力んでしまっていたんです。
■“できない自分”を否定しすぎた
その結果、「できない自分」を一切受け入れられなくなりました。
ちょっとしたミスや失敗でも、「自分は全然ダメだ」と自己否定が止まらなくなる。
“できる人の仮面”をかぶっているのに現実ではうまくいかない。そのギャップに落ち込む。
正直、今思えば「仮面をつけていなかった方がマシだった」とさえ思います。
頑張っても頑張っても空回り。
しまいには、そのストレスが仕事以外のプライベートにも侵食してきました。
■家に帰っても仮面が外れない
本来、「オンオフを切り替えよう」という話のはずなのに、家に帰ってもオフにならない。
「できる人でいなきゃ」と常に気を張って、失敗したイライラを引きずってピリピリしている。
そんな状態になっていました。
この時点で、もう失敗だったんですよね。
■“できない自分”を亡き者にしようとしていた
当時の私は、「できない自分」をまるで“亡き者”にしようとしていたんだと思います。
その結果、抑うつ状態になりかけました。
祖母から当時の私を見た話を聞いたところ、「顔色が真っ青で、げっそりやつれていた」と言っていました。
実際、その頃は何をしても落ちなかった体重が、あっという間に3キロ以上落ちていました。
しかも、食生活を改善したわけでも運動したわけでもなく、むしろ「食ってすぐ寝る」みたいな状態だったにもかかわらずです。
健康面が完全に壊れていた証拠ですね。
■ブレーキをかけてくれた“抑うつ状態”
当時は本当につらかったですが、今振り返って思うのは…
「抑うつ状態がブレーキをかけてくれた」ということです。
あれがなければ、私はもっともっと深刻な状態に陥っていたかもしれません。
ある意味では、“病気が自分を止めてくれた”という面もあると思っています。
■“できない自分”を否定しすぎないでほしい
仕事ができるようになりたい、という気持ちはもちろん大事です。
私も今でもそう思っています。
でも、「できない自分を否定する気持ち」とセットになると、それは行き過ぎです。
「今はできないけど、努力しよう」「成長しよう」と思えれば、それだけで十分なんです。
私はその「できない自分」を見ないために、ペルソナ(仮面)をかぶってしまったことで、むしろおかしくなってしまいました。
■仮面じゃなくて、自分自身を成長させよう
だからこそ、「できない自分」を一度認めて、
一歩一歩積み重ねていく方が、よほど健全だと思うんです。
得意なことなら、演じてうまくいくケースもあるかもしれません。
でも、自信がなくて、今まさに苦しんでいるときに仮面をかぶっても、うまくはいきません。
それどころか、むしろ病む原因になります。
■まとめ:背伸びしなくていい
結論としては、背伸びしなくていいということです。
「できる人」を無理に演じるより、
「できない自分」と向き合う方が、結果としてタフになれる。
向き合ったほうが、むしろ“病まずに済む”のだと思います。
仮面じゃなくて、自分自身が本当に成長する道を歩んでいく。
私は、いまそんなふうに思っています。



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