怒りの奥には、根っことなる感情があります。
こんばんは。心理カウンセラーのキタダハルキです。「適職発見チャンネル」アップしました。
怒りを感じたときに溜め込んでしまって、ふとしたタイミングで爆発してしまったり、体調を崩す原因になってしまったり…といった症状に思い当たる節がある方へ。解消するための流れをお話ししてみました。
■私も、怒り溜め込みがち勢でした…
私自身の話をすると…私も、怒り溜め込みがち勢だったんですよ。
当時は溜め込みに無自覚な面もありましたが、身体症状を振り返ると「かゆみ」みたいなヤツは結構頻繁にあったと思いますし(東洋医学やらでよく言及される観点)、怒りの余りお腹を強烈に下したり…。上記の動画ではそっちにしか言及してませんが、実際は便秘と下し、両方ありましたね…。
こういう状況だと、正直理性的でいること自体が難しくなってしまう⇒なにもかもうまくいきにくい、ってことに繋がってしまうんですよね。
■怒りを出すことに、リスクを懸念してしまう…
そうは言っても、怒りを「出す」ことについてのリスクを懸念する意見は非常に根強いものがありまして。
- めんどくさい人だと思われそう…
- 溜め込み過ぎて、どうやって怒りを表明していいかわからない…
というような、事後のリスクを考えてしまってなかなか言い出せない…ってのはあります。
かくいう私も、怒りをため込み過ぎてブチギレて、周囲をドン引きさせてしまって…そのときの人間関係の9割を失うって事態を起こしたことがありますしね。無視はできないリスクだと思います。
…ということもありますので、今回は「リスク少なく」怒りを表明する方法について、お話ししていきますね。
■いつ、怒りが溜まったのかを理解しよう!
まずひとつ、大きなポイントとして…
いつ、怒りが溜まったのか。
これを理解しているか、ってところが挙げられます。
溜まるタイミングには定石がありまして…要は、怒りを「押し込める」から溜まるんですよね。放出してしまえば、溜まりはしないわけですから。当たり前かもしれませんが、怒りを溜め込まないための概念としては非常に重要です。
それこそ、私がブチギレたときも…結局は、押し込めの繰り返しで、もう押し込むスペースが無くなってしまった結果、全部出た、みたいな話だったわけです。累積した怒りのコントロールは非常に難しい…というか、コントロールできなくなったからブチギレたわけなんで…。
だからこそ、まずひとつ提案したいのが…怒りは「感じたときに」出す、ということ。
結局、このタイミングが一番怒りの扱いが簡単なんですよ。理性も働いているし。いわゆる「思い出し怒り」みたいなものが混ざらなければ、周囲をビックリさすようなこともないわけです。
■怒りは「二次感情」~なぜ、怒りの扱いは「難しい」のか。
では、ここでひとつ補足的に…なぜ、怒りの扱いが「難しい」のかってこともお話ししておきます。
怒りって、心理学では「二次感情」とか呼ばれたりするんですよ。
どういうことかというと…
- 悲しい
- 残念だ
- 寂しい
- 怖い
っていうのが「一次感情」って呼ばれるんですが、これを覆うように存在しているのが怒りである、という意味です。つまり、怒りっていうのは根っこにある感情ではない、ということでもあるんです。ここまでひとつ、理解した上でここからのお話しを聴いてほしいと思います。
ここも、私自身の実例でお話ししますが…その…めっちゃくちゃキレたのは、飲みの席で説教をされる、ってのが何回か続いたことがきっかけでした。一応、都度都度「そういうの、よくないんちゃうか」ってことは伝えているつもりでしたが、それでもなお来る、ってのが3度4度…あったんですよね。で、我慢の限界がきて、行ってしまったわけですね。
で、ここで注目してほしいのが…
私がキレた一番の要因は「説教されたこと」では「なかった」ってことなんです。いやね、当時は絶対それが原因やろって思ってましたよ。だけど、掘り返していったら違う気持ちがあったんですよね。
話を聴いてもらえてなくて、悲しいし、残念だ、っていうのがね。
怒りに囚われているときはなかなかここにたどり着けなかったから、表明しつつも怒りが減らずに繰り返すような状況になってしまったんだと思います。不思議なもんですが…この根源部分にたどり着いたときに、スッと怒りが消えていったのを今でも思い出しますね。
ですので、怒りを感じたときほど、その根源にある…
- 悲しい
- 残念だ
- 寂しい
- 怖い
って感情がないか、意識することがまず大事になってくるんですよね。
■怒りを解消するワークその1:出来事を、まず書き出す。
ではここで、その怒りを解消するためのワークについてお話しします。
まず第1ステップとして…怒りに繋がった出来事をまず書き出すこと。
ここはもう、誰に見せるでもないので、思った通りに、主観でいいので書き出すことが大事。この書き出していく過程の中で「あぁ…自分、こんなに怒ってたんや…」ってことに気づく、というケースも多いです。
特に、流すことができていたと思っていた怒りが、思いのほか溜まっていたんや、ってことを認知するのが大事。まずは、自分がキレてたんや、ってことを知ることが、ひとつ怒りの解消に繋がると思います。
■怒りを解消するワークその2:特に腹が立ったポイントを明確にする。
次に、その出来事を書き出す中で特に気持ちが動いたポイントにマルなりなんなり、印をつけてほしいんです。
これをすることによって特に腹が立ったポイントってのが明確になるんですよね。
で、なんでこれをしてほしいのかというと…特に大きな怒り以外は「おまけ」っぽい側面もあるからなんです。要は、本丸から出たついでみたいなもの、という捉え方でOK。いわゆる思い出し怒り、みたいなものがこれに該当します。
ですので、特に腹立ったところだけを取り出しておく。これが怒りの本質部分を捉えるためにすごく大事です。
■怒りを解消するワークその3:イライラを分解する。
そして第3のステップとして、その腹立ったところのイライラを分解、ってことをやっていきます。
これは私の今回お話ししている例で、層を掘り起こすように分解すると…
小言言われた⇒お酒の勢いだった⇒前にもその言い方注意したよなぁ⇒聴いてへんねや⇒悲しい…
という形になるんですが…ここまでやってようやくルーツの部分にたどり着くんですよね。あぁ、悲しかったんや、という。その段階にたどり着けていないと「ぶり返す」んです(これが思い出し怒り)。
ですので、もしこの思い出し怒りのようなことが起きるのであれば、もっともっと分解していけるといことでもあります。こういうときはさらに気持ちを奥底までほり進めてほしいところです。
■怒りを解消するワークその4:怒った自分自身をいたわろう。
そして、怒りの根源にたどり着いたあとは…その自分自身のいたわりをしてほしいんです。
やっぱり、怒りを抱えた自分って「幼い」みたいな解釈になって、自己否定に走ってしまう方って多いんです。でも、怒り自体は、あなたの大事にしているポイントだからこそ起きたことでもあります。
だからこそ、自虐的なフィーリングでごまかしてしまうんじゃなくて、自分はこの気持ちを大事にしたいんや、ということを受け入れて、ワークを締めていただければ、と思います。
■まとめ:怒りは、自分の大事にしているものを教えてくれる。
それではここからまとめに入っていくんですが…
怒りの放置って、本当に危ないんです。ワッとキレてしまうことが重大な人間関係リスクに繋がるのとか、もちろん認知されるものだと思いますしね。
例えば、SNSとかで怒っている方のことを思い浮かべるとわかると思うんですが…その方にとっては累積の結果なのかもしれないけれど、外から見たらまったくその辺は伝わらないわけですよ。急にキレたようにしか見えないというか。
だから、少しずつでいいんで…怒りを感じたら、そのときに「私はそういうのイヤです」と表明するのは大事なことだと思います。ポイントは主語をデカくせず、あくまで「私は」ということ(これを「アイメッセージ」と言います)。そうすれば、常識やら社会を盾にして大きなこと言うとんな、みたいなフィーリングを相手に与えずに済むので、相手の機嫌をムダに損ねるリスクを減らしてくれます。
ただ、ここも言及はしておかないといけないんですが…
怒りの表明は、すべてが報われるわけではありません。
私の場合、怒りの表明で結果として人間関係が切れたのも事実なので。ただ、それでももしあのとき怒りを表明していなかったら、今度は自分自身がおかしくなっていたと思います。
自分の気持ちを無視していると、自分の気持ちってわからなくなるんですよ。どんどん惰性に流れていって、なぁなぁになっていくと、自分が辛くなっているのに気づけずに、サインとして病気が発現するきっかけにもなってしまうんですよね。
怒りも、自分の気持ちを構成する要素のひとつです。だから、ないがしろにせず大事なものとして扱っていってほしいと思いますね。
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